「アンチゴネー/血」



2006年9月
(新)テラ・アーツ・ファクトリー 第3回公演



2006年9月27日
さて、公演は終わった。

今回は評判は極めて良い。客席から動けなかった、ラストは鳥肌 立った、舞台に居るのはあれは「私」だった、掲示板の内容(メ ンバー自身の書き込み)がリアル過ぎて、本物のの書き込みを使 ったドキュメントだと思った・・・。

公演楽日翌日、さっそく年中無休のシアターファクトリー(TF) ワ−クショップ。初めは公演を見た感想を聞く。互いに同じ舞台 の感想を話合うのはいいなあ、認識が深まる、舞台は一度見て、 次に考えた時に二度見る、と改めて思う。

吉田君:見終わったあとに気づいたことがあった。無意識のうち に得体の知れない力に縛られていた。見ているのに舞台から見ら れている感覚。「距離感のない芝居をやりたい」とTFのH君がか って 語っていたが、たぶん今回のがそれだと感じた。

沖縄の名嘉君;自分は舞台を見ているはずなのに、観客席と舞台 が逆になった奇妙な錯覚、自分が舞台に立っている感覚になっ た。

仮面ーーー仮面をはずすと逆に本物の仮面をかぶった感じ。仮面 をつけることで自分でいられる、のか。日常は素顔だから、逆に 素顔を出せないと思った。シーン2−−−服を着たのに脱 ぐ・・・じゃあ、何故服を着るの?と言う疑問。着たら脱ぎたく なる、着たくないのに着てしまう、いろいろなことを考えた。更 にアルトーの「糞」の話、「生きると言うのは糞を流すこと」。 隠す、隠したいのに見せてしまう・・・。

TF最長老、会社員36年の社会人メンバー若林さん;事前に「ア ンティゴネー』を読んで面白いと思った。金曜日に見て、土日と 舞台を反芻して気づいたことが幾つかあった。まず仮面に驚く、 そのリアルさに。仮面をつけたほうがより鮮明につけた人の表情 が現われている。あの怖さにびっくり。(会社生活が長いゆえ か)、オフィスの女性たち(OL)のシーンがリアルだったと。あ る意味、弱者(女性、子供の含めて)の反乱だと思うが、 そう した声を聞く、知ることが今の社会に必要なことだろう。シーン 2−−−普通は女が脱ぐ(人に見せるものとしては)、それを男 性がやる・・・・・・吉永さん(服を切り裂く女)はラストで、 たぶん切り裂いた布服はOLの服で、それを撒く事で、「男たち」 を葬ったのではないか、と思う。

舞台が終わったと、客席の声を聞くのは面白い。テクニカルなダ メ出し、ではなく、こういう表現を通じたその根底の思想に触れ てくる声は、特にうれしい。


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